牛野若丸ヤンデレグレーテル牛野若丸ヤンデレグレーテル

はだかのお姫さま(同人誌版)

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元気でおバカな陽人と、学園の王子さまの拓海は幼なじみ。 だけど、周りには「お姫さまと下僕」だと思われていて!? 拓海に近付く美女の鈴川、転校生の美少年の葵、陽人のブラコン兄ちゃんも登場。 やんちゃおバカとヘタレわんこを中心とした、BL入門者にもおすすめの限りなくさわやかな学園物語。 それぞれの想いが錯綜する賑やかな恋の行方は!? A5サイズ72ページ300円。 別のイラストレーターによる電子書籍版あり。  妙に甲高いざわめきが耳を刺激する。  気が付いたらおれはグラウンドにいた。なんだかいつもと場所が違うぞ。よく見ると、おれよりも小さなガキたちの大群が辺りを好き勝手に走り回っている。 「――陽人(はると)くうううん……!」 「ん?」  耳に飛び込んできたおれを呼ぶ悲痛な泣き声が、やけに懐かしい。おれの足は自然にその方へと走り出していた。  悪ガキたちに囲まれた状態でしゃがみ込んで泣いている、一人の少年を発見する。小さな拳では全然覆い隠せていない、きれいな愛らしい泣き顔が目に入る。この、おれに一心に助けを求めている一途な少年は…… 「拓海(たくみ)!」  すかさず走り寄って、そのやけにミニチュア化した小さな身体を抱きしめると、少年は一瞬で泣き止んだ。 「――このバカどもめ! 拓海をいじめるなってあれほど言ってるだろが! お前ら、今すぐボコボコにしてやるぞ!」 「うわっ」 「ひえっ」  すごんでみせたおれにおそれをなした悪ガキたちは、一気にちりぢりとなってその場から逃げていく。 「待ちやがれ!」  追いかけようとするおれの身体を、「待って」と拓海が引き留めた。 「もう、大丈夫だよ……。陽人くんがいれば、僕は安心だから」  にっこりと可愛らしい顔で微笑まれて、おれの心臓がどきどきずきゅんっ、と一気に高鳴る。 「お、おれが拓海を守ってやるからなっ」  そう言うなり、あまりにも愛らしすぎる拓海の華奢な身体をおれは抱きしめる。  な、なんだ、これは……。  いや、これが夢だってことは、おれにも分かるぞ!  だけど、この妙な感覚は何だっ?  おれに抱きしめられた状態の拓海が、首から上だけを逃れさせて、潤んだ瞳でおれをじっと見つめてくる。  そのふっくらとした唇が……おれに……

元気でおバカな陽人と、学園の王子さまの拓海は幼なじみ。 だけど、周りには「お姫さまと下僕」だと思われていて!? 拓海に近付く美女の鈴川、転校生の美少年の葵、陽人のブラコン兄ちゃんも登場。 やんちゃおバカとヘタレわんこを中心とした、BL入門者にもおすすめの限りなくさわやかな学園物語。 それぞれの想いが錯綜する賑やかな恋の行方は!? A5サイズ72ページ300円。 別のイラストレーターによる電子書籍版あり。  妙に甲高いざわめきが耳を刺激する。  気が付いたらおれはグラウンドにいた。なんだかいつもと場所が違うぞ。よく見ると、おれよりも小さなガキたちの大群が辺りを好き勝手に走り回っている。 「――陽人(はると)くうううん……!」 「ん?」  耳に飛び込んできたおれを呼ぶ悲痛な泣き声が、やけに懐かしい。おれの足は自然にその方へと走り出していた。  悪ガキたちに囲まれた状態でしゃがみ込んで泣いている、一人の少年を発見する。小さな拳では全然覆い隠せていない、きれいな愛らしい泣き顔が目に入る。この、おれに一心に助けを求めている一途な少年は…… 「拓海(たくみ)!」  すかさず走り寄って、そのやけにミニチュア化した小さな身体を抱きしめると、少年は一瞬で泣き止んだ。 「――このバカどもめ! 拓海をいじめるなってあれほど言ってるだろが! お前ら、今すぐボコボコにしてやるぞ!」 「うわっ」 「ひえっ」  すごんでみせたおれにおそれをなした悪ガキたちは、一気にちりぢりとなってその場から逃げていく。 「待ちやがれ!」  追いかけようとするおれの身体を、「待って」と拓海が引き留めた。 「もう、大丈夫だよ……。陽人くんがいれば、僕は安心だから」  にっこりと可愛らしい顔で微笑まれて、おれの心臓がどきどきずきゅんっ、と一気に高鳴る。 「お、おれが拓海を守ってやるからなっ」  そう言うなり、あまりにも愛らしすぎる拓海の華奢な身体をおれは抱きしめる。  な、なんだ、これは……。  いや、これが夢だってことは、おれにも分かるぞ!  だけど、この妙な感覚は何だっ?  おれに抱きしめられた状態の拓海が、首から上だけを逃れさせて、潤んだ瞳でおれをじっと見つめてくる。  そのふっくらとした唇が……おれに……